【骨粗鬆症と歯科のかかわり①】
以前のブログで、当院の管理栄養士さんが、骨粗鬆症予防のための食事について少しお話をさせていただきました。
今回は、骨粗鬆症と歯科のかかわりについて、少しお話させていただきます。
骨粗鬆症では、BP剤(ビスフォスフォネート製剤)や抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)などの骨を強くする作用があるお薬が治療に用いられています。
これらのお薬を一定期間以上服用中に抜歯やインプラント、歯周外科などの外科処置を行なった場合、顎骨壊死といった症状が発生する可能性が報告されています。
本来骨は、“溶けて→作られる”といったサイクルでリモデリングを繰り返していますが。(*作られてから溶けるではなく、溶けてから作られるのがポイント!!)
ざっくり言うと、この溶ける量と、作られる量のバランスが乱れ、溶ける量>作られる量になってしまうと、骨がもろくなる、骨粗鬆症になってしまうわけです。
そこで、BPを使用するわけですが、このBPは骨が溶ける作用を抑制するお薬で
溶けることを減らすことにより骨を強くしよう!!といった薬になります。
でも、本来、溶けて→作ると言ったサイクルで、回っている骨のリモデリングのスタートの“溶ける”の部分を抑制してしまうため、同時に新しい骨や歯ぐきなどの軟組織を作る機能も抑えられてしまい、抜歯や口腔内の外科処置で、顎骨で細菌感染が生じてしまうと、そこから細菌が感染することによって傷が治りにくくなり、骨が腐るなどの副作用が起こってしまいます。
このBPは、飲み薬だけでなく、注射で行われる場合もあります。
抜歯の必要な患者さんへの聞き取りでは、骨粗鬆症は有るものの、特に経口薬はないとの事でしたが、念のため通院されている整形外科の先生に確認したところ。
半年に一度、静脈注射による、投薬を行っているとの事でした。。
後日改めた患者さんに確認したところ。
「そういえば数カ月前に、なんか注射したわね!次は半年後って言われたわ、あれ骨のお薬だったのね、やだわ~。」なんてこともありました。
注射の場合、半年に一度程度の場合もありますので、患者さん自身がお忘れになってしまう事も考慮し、当院ではお薬手帳の確認、状況に応じて、担当医科と対診を取り連携して外科処置を行います。
次回は、
じゃあ?BPは飲まないほうがいいの?
BP服用してるなら、抜歯しないほうがいいの?
こんな疑問にお答えしたいと思います。